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自己資金とは?認められるお金や住宅購入に必要な資金について解説

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自己資金とは?認められるお金や住宅購入に必要な資金について解説

家を建てる際、自己資金が必要になるケースがほとんどです。自己資金には認められている資金と認められない資金があり、どのようにして資金を用意するのかを決めた上で、必要とされる額を貯めましょう。

当記事では、自己資金として認められる資金・認められない資金と、住宅の購入に必要な自己資金の割合、自己資金を貯めるポイントについて解説します。マイホームの購入として融資を受ける予定のある人は、ぜひ当記事をお読みください。

1.自己資金とは

自己資金とは、自分が所有する資金のことです。

自己資金の定義は、資金を所有しているのが個人か法人かによって異なります。個人の場合は「自分で貯めたお金」が自己資金に該当します。たとえば、会社員が独立開業するケースでは、起業のために積み立てたお金や給与振込口座の残高などが自己資金です。

法人の場合は、通常「資本金」が自己資金に該当します。資本金は発起人が現金出資した、会社の固有の財産と言えるためです。現在は資本金1円からでも株式会社を設立できますが、資本金は将来の融資額に影響を与えるため、資本金の額は慎重に決める必要があります。

1-1.自己資金の必要性

自己資金は主に融資を受ける際に必要です。

ほとんどの事業関係の融資には、自己資金があることが要件に含まれています。お金を貸す側としては、借りる側にきちんと返済能力や計画性があるかを確認したいためです。

資金を貸した後、元手がある人は元手から返済してくれることが予想できますが、元手がない人は返済が滞る可能性があります。また、自己資金が少ない人は資金繰りが破綻するリスクも高いと見なされるため、銀行や信用金庫などから融資を受ける際には自己資金が必要になります。

1-2.住宅の購入に必要な自己資金の割合

住宅の購入に自己資金がいくら必要か気になっている人もいるのではないでしょうか。

住宅の購入に必要とされる一般的な自己資金の目安は、物件購入価格の2割以上と言われています。従来の住宅ローンでは、融資金額の限度が物件価格の8割に設定されることが多かったためです。

ただし、自己資金額に明確な基準はなく、「いくら用意していれば確実に大丈夫」と定められているわけではありません。自己資金は、あればあるほど融資やローンの審査に通りやすくなる要素というのが実情です。融資やローンの審査は自己資金の多さだけで判断されるものではありませんが、融資などを受ける際には自己資金を貯めておくことをおすすめします。

2.自己資金として認められる資金

融資申請をする場合の自己資金は、手元にあるすべての現金を指しているわけではありません。自己資金として認められるものと認められないものがあります。

以下では、自己資金として認められる資金の主な種類と、それぞれが自己資金として認められる理由、注意点などについて解説します。

預金・貯金
金融機関の口座にあるお金は、自己資金として認められる代表的なものです。普通預金はもちろん、定期預金や積立預金なども自己資金として認められます。

預貯金通帳を見ることで資金の流れや出所も確認できるため、定期的にコツコツ貯めている場合は計画性が評価されることもあります。

配偶者名義の通帳預金
結婚している場合は配偶者名義の通帳預金も自己資金として認められます。自分の資金だけでは足りない場合、配偶者名義の通帳預金を自己資金とするのも手段の1つです。

ただし、配偶者名義の通帳預金を自己資金とするには配偶者の同意が必要なため、事前に相談して必ず許可を得ましょう。

保有資産を売却してできた資金
有価証券などの金融資産や、車などの自己資産を売却してできた資金も自己資金として認められます。保有資産は資産形成を確実に行ってきた結果できるものです。
退職金
退職金も自己資金として認められるため、退職金を開業資金に充てる人も多くいます。退職金は多額のお金が口座に入るため、退職金であることを証明できる源泉徴収票などを用意するとよいでしょう。
親族などから贈与されたお金
親や親戚から贈与された返済義務のないお金も自己資金として認められます。

ただし、出所を確認できることが条件となっている場合もあるため、贈与する人名義の口座から直接振り込んでもらうのがおすすめです。返済義務がないことを証明するために「贈与契約書」を作成するとなおよいでしょう。

みなし自己資金
すでに事業開始している場合に用いられる方法です。事務所・店舗を借りる際や設備投資などに資金を投じている場合、領収証があれば自己資金として認められる可能性があります。
第三者割当増資
すでに株式会社を経営している場合に用いられる方法です。新しく発行した会社の株式を第三者に引き受けてもらうことで、資金調達が可能になります。

3.自己資金として認められない資金

ここからは、自己資金として認められない資金の主な種類と認められない理由、注意点などについて解説します。

口座に入っていないお金
貯金箱やタンス預金などの口座に入っていないお金は、自己資金として認められません。口座に入っていないお金は出所や流れを確認できないためです。

たとえ計画的に貯めたお金でも、証明できなければ自己資金として認められないため、自己資金を貯めたい人は金融機関の口座に預けるようにしましょう。

返済義務がある借金
人から借りたお金は自己資金として認められません。借金には返済義務があり、「自分で所有しているお金」とは言えないためです。贈与とは異なり、たとえ親族から借りたお金であっても自己資金として認められません。

また、金融機関や消費者金融などから借りた出所が明らかなお金でも、返済義務がある限り自己資金にはできないため注意しましょう。

「見せ金」と判断されるお金
「見せ金」とは、金融機関に対して、自己資金があるように見せかけるために用意するお金のことです。具体的には、融資を受ける前に第三者から一時的にお金を借り、融資審査が終了したら返却する行為を指します。

一気に多額の振込資金があり、出所が不明な場合は、見せ金の可能性が高いため自己資金として認められないケースが多いです。タンス預金を一気に預けた場合や振込人を証明できない場合も、自己資金と認められない可能性があるため注意しましょう。

また、実際に見せ金を行った場合は詐欺罪に問われる可能性があるため、自己資金不足の場合でも見せ金を用意してはなりません。

4.自己資金を貯めるためのポイント

自己資金を増やすことで、住宅ローンなどの借入額を抑えることが可能です。では、自己資金はどのように増やせばよいのでしょうか。

自己資金として認められるのは、「自分でコツコツと貯めてきたお金」です。ライフプランに合わせて自己資金の額を決定し、作成した資金計画に沿って必要な分を計画的に貯蓄することが自己資金を増やす近道となります。「毎月いくらずつ」など、期間を細かく区切ってコツコツお金を貯めていくのがおすすめです。

自己資金がどうしても足りない場合は、車やバイクなどを売却することでお金を集める資金調達方法もあります。生命保険などの契約内容を見直すことで、生活にかかる費用を下げることも有効です。また、副業を始めることで収入を増やす方法もあります。

住宅購入は人生における大きなイベントのため、両親からの援助を受けることで自己資金を確保するケースもあります。住宅購入における贈与については税制が優遇される制度もあるため、援助が見込める場合は家族で相談の上、利用できる制度を調べてみましょう。

まとめ

自己資金とは自分が所有するお金のことで、融資を受ける際に必要になります。住宅を購入する際に必要と言われている自己資金は、物件購入価格の2割以上と言われていますが、自己資金額に明確な基準はありません。

自己資金として認められるのは、自分でコツコツと貯めてきたお金です。具体的には「預金・貯金」「配偶者名義の通帳預金」「保有資産を売却してできた資金」「退職金」「親族などから贈与されたお金」「みなし自己資金」「第三者割当増資」が自己資金として認められます。

両親から援助を受ける場合は、住宅購入における贈与については税制が優遇される制度もチェックしましょう。

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