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理想のキッチンにするためのポイント|間取り・レイアウト例3選

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理想のキッチンにするためのポイント|間取り・レイアウト例3選

キッチンは、家の中でも毎日使用することになる大切な場所の1つです。そのため、家を建てるにあたってキッチンの間取りやレイアウトを重視しているという人は珍しくありません。では、理想のキッチンを実現するためにはどうすればいいのでしょうか。

当記事では、使い勝手のよい理想のキッチンにするためのポイントと、間取り・レイアウト例について紹介します。また、キッチンの間取り・レイアウトでよくある失敗例も紹介するので、使い勝手のよいキッチンを作りたい人はぜひお読みください。

1.理想のキッチンにするにはイメージが大切

理想のキッチンを実現するためには、キッチンをどのように使用したいのかイメージを具体的にもつことが大切です。キッチンを使用する人数や使用頻度が高い人によって、キッチンの間取りやレイアウトが変わります。

また、キッチンのリフォームは頻繁にするものではなく、費用的にも簡単にできるものではありません。キッチンをリフォームする場合も具体的なライフプランをもち、優先順位を考慮しながら間取りやレイアウトを決めましょう。将来的な家族構成や、誰とどのようにキッチンを使用するのかなどのライフスタイルについて具体的なイメージをもつことで、使い勝手のよい理想のキッチンを実現できます。

2.キッチンの間取り・レイアウトでよくある失敗例

キッチンの間取りやレイアウトを決める際にイメージができていないと、動けるスペースが限られます。動けるスペースが限られると作業がスムーズに進まなかったり、使用頻度の高い人の身長と作業台の高さが合わずに調理がしにくいといった問題が生じることもあるでしょう。

ここでは、キッチンの間取り・レイアウトでよくある失敗例を4つ紹介します。

食器などを収納するスペースが足りない
キッチンをコンパクトに作った結果、食器や調理器具を収納するスペースが足りなくなったという失敗例は珍しくありません。

限られたスペースでキッチンを作る場合は、あらかじめ設計士に収納する予定の食器や調理器具などを細かく伝えておくことで、収納スペースが足りないという事態を防げます。

作業台に照明があたらない
料理に集中できるというメリットもある独立型のキッチンですが、照明の位置によっては作業台に照明があたらず手元が暗くなることがあります。

窓による自然採光と合わせて、照明による採光も設計時に確認をしましょう。

コンセントの位置により家電を置ける場所がない
キッチンでは冷蔵庫をはじめ、電子レンジや炊飯器など多くの家電を使用します。そのため、「キッチン完成後に家電を配置する際にコンセントが届かず、希望の場所に家電を設置できなかった」という失敗例もあります。

コンセントの位置に困るという事態を防ぐためにも、設計士にどこにどの家電を設置するのか事前に伝えましょう。

ダイニングまたはリビングのスペースが狭くなった
他のキッチンに比べて寸法が大きめのアイランド型キッチンにした場合、リビングダイニングが圧迫されて狭く感じることがあります。

キッチンの種類によって必要なサイズは異なるため、キッチンを設置する予定のLDKのサイズをよく確認してからレイアウトや種類を選びましょう。

3.理想のキッチンを作るためのポイント3つ

理想のキッチンを作るためには「家事動線」「間取り・レイアウト」「家電などの配置」の3つのポイントを押さえることが重要です。3つのポイントを押さえることで、キッチンでの作業効率を向上できます。

以下では、3つのポイントについて詳しく説明します。

3-1.(1)作業がスムーズに行える動線を設計する

理想のキッチンを作るためには、調理から片付けまでの一連の動作がスムーズに行える家事動線を確保することが重要です。

家事動線を考える際によく使われる言葉に、ワークトライアングルというものがあります。ワークトライアングルとは、キッチンでの作業のポイントとなる「コンロ」「冷蔵庫」「シンク」の3つを結ぶ作業動線のことで、3つの場所がバランスよく配置されていると効率よく家事が行えると言われています。

具体的には、行き来する距離の合計が3.6~6.6メートルに収まるとよいとされています。また、それぞれの場所への距離が1.2メートル以上確保できれば、動きに無駄がなくスムーズに作業を行えます。

ただし、冷蔵庫を設置する場所が狭くなる可能性もあるため、設計の時点であらかじめ広めにスペースを確保しましょう。

3-2.(2)使い勝手のよい間取り・レイアウトを決める

キッチンの動線がイメージできたら、次はライフスタイルに合った使い勝手のよい間取り・レイアウトを決めます。

キッチンの間取り・レイアウトは複数あり、それぞれメリット・デメリットがあります。タイプごとの特徴を比較検討した上で、キッチンを設置する予定の場所のサイズ、調理する人のキッチンの使い方に合った間取り・レイアウトを選びましょう。

以下では、3つの間取りの特徴とメリット・デメリットについて説明します。

■オープンキッチン(対面キッチン)

壁などの仕切りがなく、リビングの中にキッチンを設置するタイプです。

メリット
  • 対面式のためコミュニケーションをとりながら料理ができる
  • 複数人でも使いやすい
デメリット
  • 油はねや調理中の匂いが生活空間へと広がりやすい
  • キッチンの汚れなどが生活空間から見えやすい
レイアウト
  • I型(ペニンシュラ設置)
  • ペニンシュラ型
  • L型(ペニンシュラ設置)
  • アイランド型
  • I型(アイランド設置)

■セミオープンキッチン

コンロ前の壁や吊戸棚でキッチンとリビングを部分的に仕切るタイプです。

メリット
  • 部屋の中の人とコミュニケーションをとりながら料理ができる
  • 収納スペースを作れる
デメリット
  • 調理中の匂いが生活空間へと広がりやすい
レイアウト
  • I型(ペニンシュラ型)
  • L型(ペニンシュラ型)

■クローズドキッチン

個室型でキッチンが独立したタイプです。

メリット
  • 料理に集中できる
  • 調理中の匂いが生活空間に広がることがない
  • 視線が気にならない
デメリット
  • 家族の様子を見ることができない
  • 配膳や片付けに手間がかかる
レイアウト
  • I型
  • L型

3-3.(3)効率よく作業できる位置にその他家電を配置する

キッチンの間取り・レイアウトを決めたら、最後はキッチン家電の設置です。実際にキッチンを使うことをイメージし、買い物から帰ってきた後から調理、配膳までの動きをシュミレーションしましょう。

電子レンジや炊飯器、トースターなどのキッチン家電を頻繁に使用する場合は、作業動線に組み込むことで動作に無駄がなくなり、家電が使いやすくなります。キッチンでの各作業の動線が2歩以内になると使いやすくなるため、調理台から電子レンジまでの距離なども動線に入るように設置するとよいでしょう。

キッチン家電の配置まで考えられたキッチンは、使い勝手がよい上にすっきりと整って見えます。効率よく作業を行えるキッチンにするためにも、キッチン家電のレイアウトにも気を配りましょう。

4.キッチンの間取り・レイアウト例3選

最後に、おすすめのキッチンの間取り・レイアウト例について、メリットや設置条件、向いている人を紹介します。キッチンの間取り・レイアウトで悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

■アイランド型キッチン(オープンキッチン)

メリット
  • 両側から出入りができるため、複数人での調理が可能
  • 開放感があり、デザインもオシャレなものが多い
  • リビングとのコーディネートを楽しめる
  • アイランド部分の対面をカウンターとして利用できる
条件
  • 設置に広いスペースが必要
  • 食器や料理器具などのキッチン収納を確保できる
向いている人
  • ホームパーティーを開催する人
  • 家族みんなで料理をする人

■ペニンシュラ型キッチン(セミオープンL型キッチン)

メリット
  • リビングにいる人とコミュニケーションをとりながら料理できる
  • 吊戸棚による収納スペースを確保できる
  • コンロを壁付け側にすれば油はねが気にならない
  • カウンターにダイニングテーブルを横付けすることで、すぐに料理を提供できる
条件
  • 料理の匂いが広がりやすいため、対策が必要
  • キッチンが見えることに抵抗がない
向いている人
  • 小さな子供がいる人
  • 対面式キッチンに憧れている人

■I型キッチン(クローズドキッチン)

メリット
  • 料理に集中できる
  • 独立型キッチンのため、来客の視線を気にする必要がない
  • 対面式キッチンのように通路を気にする必要がない
条件
  • 配置に失敗すると作業スペースが暗くなるため、照明の配置に注意が必要
向いている人
  • キッチン空間を独立させたい人
  • リビングダイニングから生活感を消したい人
  • 料理に集中したい人

まとめ

理想のキッチンにするためには、キッチンをどのように使いたいのかを具体的にイメージすることが大切です。キッチンの間取り・レイアウトは、キッチンの使い方や設置する予定の場所によって変わります。

理想のキッチンを作るためには、間取り・レイアウトに加えて「家事動線」「家電などの配置」についてもよく考えましょう。「コンロ」「冷蔵庫」「シンク」の3つの場所がバランスよく配置されていると、効率よく家事が行えます。

収納スペースや照明の位置、コンセントの位置と数、キッチン以外のスペースにも配慮し、使い勝手のよいキッチンを作りましょう。

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